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中国語と日本語の語彙の違い

中国語と日本語の語彙の違い② 猫にまつわる諺

中国語と日本語の語彙の違い
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猫糞

 

みなさんは猫糞したことがありますか。猫糞とは拾った物をひそかに自分の物にしてしまうことです。中国語では猫糞と言わず、「偷窃」と言います。「偷」はひそかにという意味で、「窃」は盗むという意味です。中国語ではそのまんまです。

 

ですから、学生に「猫糞をしたことがありますか?」と聞くと、「猫は生き物ですから、もちろんうんこするでしょう」という回答が返ってきます(笑)

 

では、なぜ日本語では猫糞というのでしょうか。猫糞の語源は漢字でお分かりになるように、猫の糞をする様子からきています。犬は糞をした後、何もしませんが、猫は糞をした後、砂などで自分の糞を隠します。ですから、人間も猫と同じように悪事(お金を取った)を隠すことから、猫糞と言われるようになりました。

 

この語彙を教えるとともに、演技を交えながら、語源の説明してあげると、学生はとても爆笑してくれます(笑)

 

猫を被る

 

みなさんは猫を被ったことがありますか。猫を被るとは本性を隠しておとなしそうに振る舞うことです。中国語では猫を被るとは言わず、「假装老实(おとなしさを装う)」と言います。これまた中国語ではそのまんまです。

 

ですから、学生に「猫を被ったことがありますか?」と聞くと、「猫をどうやって被るんですか」という回答が返ってきます(笑)

 

では、なぜ日本語では猫を被るというのでしょうか。猫を被るの語源は猫の行動からきています。猫はおとなしい動物として可愛がられていますが、いざと言う時は手がつけられない程凶暴になることから、猫のように本性を隠して、おとなしく振る舞っている人のことを猫を被ると言うようになりました。

 

ただ、中国ではパンダを被ると言った方がいいかもしれません(笑)。パンダはあんなに可愛いですが、性格はとても凶暴ですから。

 

猫に鰹節

 

猫に鰹節は油断できないことや危険であることのたとえとして使われます。なぜなら、猫のそばに猫の好物の鰹節を置くと一瞬で食べられてしまうからです。では、猫に鰹節は中国語では何と言うのでしょうか。中国語では「虎口送肉(虎の口に肉を送る)」と言います。これまたそのまんまです(笑)

 

ただ、この諺の場合は中国語のほうが的を射ているような気がしますが。なぜなら、虎の口に肉を送る行為はまさしく自殺行為ですから(笑)

 

泥棒猫

 

泥棒猫は男を奪う女のことを言います。よくドラマなどで妻が不倫相手に向かって「この泥棒猫が!」と言っているセリフを聞いたことがあると思います。猫は他人の家へ忍び込んで、魚をさっーとかすめ取っていくことから、猫のように知らないうちに男を「さーっ」とかすめ取っていく女のことを泥棒猫と言うようになりました。

 

では、泥棒猫は中国語では何と言うのでしょうか。中国語では「与已婚男性有不正当关系的女子(既婚男性と不正当な関係にある女性)」と言います。これまたそのまんまです。中国でもよく妻と不倫相手が鉢合わせになり、修羅場になっているところを目撃します。どうやら中国も不倫は文化のようです(笑)

 

以上の諺からもお分かりいただけるように、日本人は自然や周りの様子をよく観察して、上手く日本語の語彙を作り出してきたと言えます。

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