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「ろ」(授業面)

初めから日本語ができる1年生

「ろ」(授業面)
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初めから日本語ができる1年生

 

今年も新入生が入ってきました。そして、毎年恒例行事の軍事訓練を終えた1年生の授業が始まりました。

 

私は今年1年生の授業を受け持つことになりました。一般的に1年生の授業は中国語が上手な日本人教師が担当することが多いですので、私には白羽の矢が立つことはあまりないのですが、今年はなぜか知りませんが、白羽の矢が刺さってしまいました(笑)

 

1年生の授業は五十音から指導できますので、日々1年生の日本語がどんどん上達していく姿を目の当たりにできるため、とてもやりがいがあります。ただ、1年生の最初の頃の授業は日本語で意志疎通をするのがとても難しいですので、気苦労も多いのですが。また、1年生の場合は日本語の勉強に対するモチベーションを常に高めてあげなければならないですので、プレッシャーもとても感じてしまいます。

 

ですから、大学によっては1年生の前期は中国人の先生とチームティーチングで授業をすることもあります。ただ、チームティーチングも気苦労が多いのですが。自分で自由に授業を行うことができないですし、適時通訳も入るため、その分、練習時間も削られてしまいますので。

 

そのため、1年生の授業だけは担当したくないという先生もいます。私もどちらかと言えば、1年生の授業は苦手なのですが。また、授業だけではなく、1年生とはどうしても授業外での交流も少なくなってしまいますので。ただ、1年生の授業は教える文型などがほぼ決まっていて、教える内容もとても易しいですので、たとえどんな教科書を使ったとしても、授業は一番やりやすいのですが。ですから、1年生の授業は新米の先生が担当することも多いようです。

 

一方、2、3年生の授業は学生と日本語で意思疎通がかなりできるようになってきますので、1年生のような意志疎通での気苦労はないのですが、しかしながら、教える文型や内容が難しくなってきて、途中で挫折してしまう学生も出てくるため、授業をかなり工夫しなければなりませんし、文型の比較などの質問もたくさん出てきたりしますので、どの教科書を使うにしても、授業準備がかなり必要になってきます。ですから、特に3年生の授業である高級日本語などはベテランの先生が担当することが多いようです。

 

話がかなり脱線してしまいましたが、毎年1年生の学生の中には必ずと言って良いいほど、初めから日本語ができる学生がいます。

 

初めから日本語ができる1年生が存在する理由

 

その理由のまず1つは高校で日本語を勉強したことがある学生がいるからです。最近は高考の英語の試験が難しくなってきていて、高い点数が取れなくなってきているため、テスト問題が比較的簡単で、高い点数を取りやすい日本語を試験科目として選択する学生が年々増えてきているようです。そのため、1年生の学生の中に初めから日本語ができる学生がいたりします。

 

また、日系企業が多い都市の高校では日本語を教える学校も多いので、その都市出身の学生は高い確率で日本語を勉強したことがあるため、初めから日本語ができます。

 

それから、もう1つの理由は学生の中には小さいときから日本の漫画やアニメが好きな学生がいて、その影響で日本語を独学で勉強した学生もいるからです。ただ、こちらの学生の場合は会話力や聴解力はとても高いのですが、日本語の文字である平仮名や片仮名を書けなかったり、日本語の簡単な文型も知らない学生が多いです。また、アニメや漫画で日本語を勉強した影響か、特に男子学生に多いのですが、「俺」などの汚い言葉を使う学生が多いです。

 

このように1年生の学生の中に初めから日本語ができる学生がいた場合、個人的には最初の頃の授業はとてもやりにくくなります。なぜなら、初めから日本語ができる学生たちも授業でまた五十音から始めなければならないので、退屈そうに授業を受ける姿がどうしても目に入ってしまうからです。

 

ですから、その場合、私は初めから日本語ができる学生たちを通訳に任命して、活躍の舞台を与えたり、飽きさせないように授業を工夫をしたりしています。それがきっかけとなって、初めから日本語ができる学生たちとすぐ仲良くなれたりすることもあります。

 

ですから、私は1年生の最初の授業では、日本語を勉強したことがあるかどうかを必ず確認するようにしています。

 

ただ、本来、授業をそのような学生に合わせる必要など全くありませんので、そのような学生の顔は無視して、全神経を初めて日本語を学ぶ学生に集中させることを強くお勧めしたいと思います。

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