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「に」(教材面)昔話の読解教材

昔話の読解教材⑪ 『浦島太郎』

「に」(教材面)
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『浦島太郎』の本文と単語・文法

 

昔、昔、ある所に、浦島太郎という若者がいました。太郎の仕事は、魚を獲ることでした。毎日、魚を売って、お母さんと二人で暮らしていました。ある日のことです。子供たちが、砂浜で一匹の亀を棒で叩いたり、足で踏んだりしていました。太郎は、亀が可哀想だと思って、子供たちに「こら、やめなさい。亀が可哀想だろう。」と言いました。子供たちは、一目散に逃げて行きました。太郎は亀に「さあ、早く海へ帰りなさい。もうこの砂浜へ来ないほうがいい。」と言いました。亀は、海へゆっくり歩いて行きました。亀は、海に入る前に、もう1度太郎を見ました。そして、ゆっくり泳いで行きました。

 

数日後、太郎は、海へ出て、魚を獲っていました。すると、声が聞こえて来ました。「太郎さん、太郎さん。私です。先日、助けてもらった亀です。どうぞ私の背中に乗ってください」。太郎は、亀の背中に乗って、海の中に潜って行きました。

 

海の中には、キラキラ輝くお城がありました。亀は「竜宮城に着きました。さあ、どうぞ」と言いました。お城では、とても綺麗なお姫様が、太郎を待っていました。お姫様は太郎に「太郎さん、先日は私の亀を助けてくれて、ありがとうございました。どうぞ竜宮城でゆっくり休んでください。」と言いました。お姫様がそう言うと、女の人が次々にご馳走を運んで来ました。そして、魚たちが珍しい踊りを始めました。太郎は「わあ、すごいご馳走だ。それに、面白い踊りだな」と言いました。ご馳走は次の日も、その次の日も、その次の次の日も続きました。また、太郎は、海の中の綺麗な所を見に行ったり、烏賊や章魚の踊りを見たりしました。あっという間に、三カ月が過ぎました。

 

太郎はお姫様に「そろそろ家に帰りたいんですが。私の母が心配していますから」と言いました。お姫様は「そうですか。残念ですが、仕方がありませんね。では、このお土産を持って帰ってください。これは玉手箱という宝物ですが、絶対に開けてはいけません。」と言いました。太郎はお礼を言って、竜宮城を出ました。亀が砂浜まで送ってくれました。「母は元気かな。」と思いながら、太郎は家まで走りました。ところが、太郎の家はありませんでした。太郎は「私の家がない。母はどこに行ってしまったのだろう」と言いながら、泣きました。

 

その時、一人のお婆さんが通り掛かりました。「ああ、あそこの家ですか。私はこんな話を聞いたことがあります。昔、昔、一人の若者がいました。ある日、その若者は、海に行きました。しかし、その若者は、ずっと帰らなかったので、お母さんは、悲しくて悲しくて、死んでしまったそうです」この話を聞いて、太郎は泣き崩れました。竜宮城の1日は、こちらの1年でした。太郎は、「竜宮城のことは夢だ。この玉手箱を開けたら、昔に戻れるかもしれない」と思い、太郎はお姫様の話を忘れて、玉手箱を開けました。箱の中から白い煙がたくさん出て来ました。太郎は髪の毛も髭も白いお爺さんになってしまいました。

 

単語

若者 ~を獲る ~を叩く ~を踏む 可哀想 背中 ~に潜る キラキラ ~が輝く 竜宮城 ご馳走 珍しい 踊り 烏賊 章魚 ~が過ぎる お土産 玉手箱 泣き崩れる 

 

文法

動詞(て形)+てはいけません 動詞(普通形)+そうです  動詞(辞書形)+かもしれません

 

 

『浦島太郎』の内容確認の質問

 


①太郎の仕事は何ですか。

②ある日、太郎は砂浜でどんな光景を見ましたか。
③その光景を見て、太郎はどうしましたか。
④太郎はどんな性格の人ですか。
○○さんなら、どうしますか。
亀はどうして海に入る前に、もう1度太郎を見たと思いますか。
⑦数日後、亀はどうしてもう1度太郎のところに来ましたか。
⑧太郎は亀の背中に乗って、どこへ行きましたか。
⑨海の中に何がありましたか。
⑩竜宮城では誰が待っていましたか。それはどうしてですか。
⑪太郎は竜宮城で何をしましたか。
⑫太郎は竜宮城でどれぐらい過ごしましたか。
⑬太郎はどうして家に帰りたくなりましたか。
⑭太郎が帰る時、お姫様は太郎に何をあげましたか。
⑮玉手箱をあげるとき、お姫様は太郎に何と言いましたか。
⑯太郎は家に着いたとき、どうして泣き崩れましたか。
⑰竜宮城の1日は地上の何年ですか。
⑱太郎は竜宮城で何年過ごしましたか。
⑲太郎はどうして玉手箱を開けてしまいましたか。
⑳その結果、太郎はどうなりましたか。
○○さんなら、どうしますか。
お姫様はどうして太郎に玉手箱をあげたと思いますか。
どうして太郎は良いことをしたのに、最後こんな結末になってしまったと思いますか。

 

『浦島太郎』は㉒、㉓の質問のように謎めいたことが多いですので、その理由を学生に考えさて、いろいろな意見を出してもらうことができます。

 

この質問には正しい答えというものはありませんので、何でもいいので、学生たちの想像力、発想力を使って、自由に意見を出してもらっています。もし、3、4年生のクラスでしたら、これらの質問をもとに、ディベートを行うこともできます。

 

昔話は本当にいろいろな授業に応用できます。例えば、作文の授業でしたら、意見文として、意見を書いてもらったり、感想文として、感想を書いてもらったりできます。また、聴解の授業でしたら、昔話を自分の声で録音して、聴解教材として、利用することもできます。

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