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文型の使い分け日本語文型

日本語文法 驚き・意外(~たところ)

文型の使い分け
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驚き・意外(~たところ)の用法

 

前回紹介した「~たところ」の文型は動作直後を表す他に、驚きや意外を表すこともできます。

 

宝くじを1枚買ったところ、1040億円が当たりました。

化粧をしたところ、誰も私に気づいてくれませんでした。

マスクの着用を拒否したところ、逮捕されてしまいました。

 

この文型は前文にすでに行った行為や行動が来るので、「~たところ」と「た形」を使います。後文には予想だにしなかった驚きや意外な出来事が来ます。この文型を使うことで、驚きや意外を強調できます。

 

「Aたところ、B」の文型練習

 

この文型の練習をするときは学生がいきなり全文を作るのは難しいですので、最初は前文を与えて、後文を作ってもらうと良いです。

 

久しぶりに友達に会ったところ、~。

珍しく早起きしたところ、~。

先生にごまをすったところ、~。

父の部屋をこっそり覗いたところ、~。

 

また、この文型は「~てみる」と「~たところ」を組み合わせて使うことも多いですので、この形でも練習すると良いです。むしろ、このように文型と文型を組み合わせて練習したほうが学生たちの日本語の運用能力が高まります。ただ、忘れてはならないのが易しくから難しくの礎石です。

 

勇気を出して、ネットで知り合った男性(女性)に会ってみたところ、~。

彼(彼女)と付き合ってみたところ、~。

日本語コーナーへ参加してみたところ、~。

 

また、この文型は「(意志形)とする」と「~たところ」を組み合わせて使うことも多いですので、この形でも練習すると良いです。

 

教室を出ようとしたところ、~。

バスで席を譲ろうとしたところ、~。

授業をサボろうとしたところ、~。

 

後文が作りやすい前文を作るのは大変ですが、これをすぐにたくさん作れるようになるのが日本語教師の力量だと思います。かくいう私はいつも前文を作るのにかなり時間がかかってしまうのですが。

 

また、私が作った前文に「父の部屋をこっそり覗いたところ」や「授業をサボろうとしたところ」のような相応しくない前文もありますが、ただ、大喜利ではないですが、真面目な前文だけではなく、後文に面白い文が作れるような不真面目な前文を作るのもお勧めです(笑)

 

なぜなら、ひょうきん者の学生に答えてもらえば、面白い後文を作ってくれますので、それに対して笑いが起こり、授業の雰囲気が和むからです。

 

また、文型を定着させるためには、前文をたくさん用意しておいたほうが良いです。できればクラスの人数分用意しておくのがベストなのですが、授業時間の関係もありますので、それはなかなか現実的ではないのですが。

 

後文を作れるようになってきたら、全文を作るのに挑戦してもらうと良いです。もし時間がなければ、宿題として例文をたくさん作らせるのも良いです。

 

そうすることによって、文型の定着を促すことができます。

 

こちらの方は日本語学習者の方だと思いますが、たくさんの例文を作っています。とても勉強熱心な方だとお見受けします。中には?と頭を悩まされる例文もありますが、そういう例文こそが日本語教師にとってはとても勉強になります。なぜなら、どうしてそれが不自然な文なのかを考えるきっかけになるからです。

 

ですから、チェックが面倒だからといって、宿題を出さないのは自己研鑽ができる機会を失ってしまうだけではなく、給料泥棒にもなってしまいますので、積極的に例文を作る宿題を出すべきだと思います。学生も教師もローマの道は一日にしてならずなのです。

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