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日本語文法 願望(~てほしい ~てもらいたい)

文型の使い分け
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願望(~てほしい ~てもらいたい)

 

私の大学は今週から新学期が始まりました。私は今週からネット授業が再開しました。どうやら外教の授業だけがネット授業で、別の授業は対面授業のようです。

 

毎年、長期休暇明けの授業はそうなのですが、学生の日本語レベルが前学期に比べて、各段に落ちてしまいます。

 

その理由はおそらく長期休暇中はまったく日本語の勉強をしていないからだと思われます。ですから、毎回、大学生でも小学生のように、長期休暇中の宿題を出すべきだなと思いながら、今日に至っています(笑)

 

日本語での自由研究なんてやったら、面白いのではと思っているのですが。ただ、新学期が始まると、徐々に日本語のレベルが戻り始めてくるのですが。

 

学生からよく聞かれる質問に「~てほしい」と「~てもらいたい」の使い分けについてがあります。

 

「~てほしい」も「~てもらいたい」も、話し手による他者への願望を表します。

 

〇夏休み中も学生に一生懸命日本語を勉強してほしい

〇夏休み中も学生に一生懸命日本語を勉強してもらいたい

 

この2文はどちらも話し手による他者への願望を表しますので、ほとんど違いはありません。ただ、個人的には「~てほしい」よりも「~てもらいたい」のほうが強い願望を表しているように思います。

 

その理由はおそらく「~てもらいたい」には「~てもらう」というお願いの補助動詞が入っている分、相手へのお願いの気持ちがより一層含まれているからなのではないかと思われます。そのため、「~てほしい」は自分の心のうちに抱いている願望表現で、「~てもらいたい」は特定の相手に直接向けられる願望表現であると言えるのではないかと思います。

 

ただ、「~てほしい」には「~てもらいたい」にはない、話し手のある事態が実現することを望む表現があります。その事態は非情物です。

 

例えば、明日、運動会があるとき、ちびまる子ちゃんは明日この事態が実現することを望むはずです。

 

〇明日雨が降ってほしい

×明日雨が降ってもらいたい

 

なぜこの文では「~てもらいたい」が使えないかと言いますと、「~てもらいたい」は人に対する願望や依頼の表現にしか使えないからです。そのため、対象が人ではなく、ある事態(非情物)が実現してほしいときは、「~てもらいたい」は使えません。

 

「~てもらいたい」が人に対する願望や依頼の表現であることは、人にお願いをするときのことを考えるとわかります。

 

〇お金を貸してほしいんですが

〇お金を貸してもらいたいんですが

 

「~てほしい」は敬語表現にはできませんが、「~てもらいたい」は「~ていただきたい」と敬語表現にできます。ですから、「~てもらいたい」のほうが人に対する願望や依頼の表現として、適切であることがわかります。

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