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文型の使い分け日本語文型

日本語文法 予想外・驚き(~てしまう)

文型の使い分け
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日本語文法 予想外・驚き(~てしまう)

 

前回、「完了」「後悔・遺憾」の「~てしまう」を紹介しました。

 

日本語文法 完了、後悔・遺憾(~てしまう)
完了(~てしまう)の用法「~てしまう」の文型は行為の完了を表し、その行為が完了したことを強調します。一般的に過去形の形で使われることが多いです。『愛の不時着』は面白いので、1日で全部見てしまいました。彼女が作った料理は美味しいので、すべて食べてしまいました。青島ビールは美味しいので、一気に飲んでしまいました。行為の完了を表す場合は「全部、すべて、一気に」など...

 

実は「~てしまう」には「完了」「後悔・遺憾」の用法以外に、「予想外・驚き」の用法もあることを私は今更ながら、知りました。

 

前々から「完了」「後悔・遺憾」の用法に当てはまらない「~てしまう」に遭遇して、疑問に思っていたのですが、しかしながら、どの文法書にも「~てしまう」は「完了」「後悔・遺憾」の2つの用法しか載っていなかったので、それをずっと鵜吞みにしてしまっていたため、自分で詳しく調べてみませんでした。

 

私は北京大学に採用されてしまいました

 

この文の「~てしまう」を「後悔・遺憾」の用法に当てはめてしまうと、明らかにおかしくなってしまいます。なぜなら、中国で働いている日本語教師にとっては北京大学に採用されることは名誉なことだからです。ですから、この「~てしまう」は「後悔・遺憾」の用法ではなく、「予想外・驚き」の用法であると考えると、しっくりきます。

 

ただ、この文も見方を変えれば、「後悔・遺憾」の用法として捉えることもできます。たとえば、教えるのが下手な私が北京大学に採用されたとします。しかしながら、北京大学の学生はみんな優秀ですから、私はそんな優秀な学生たちに日本語を教えられるのかという不安に当然駆られてしまいます。ですから、私は北京大学に履歴書を送ってしまったことを後悔しているという意味にも捉えることもできます。

 

ですから、実際はこの文だけでは「予想外・驚き」の用法なのか、「後悔・遺憾」の用法なのかはわかりません。

 

私は教える能力がないのに、北京大学に採用されてしまいました

 

ただ、他の文型と組み合わせて使えば、「予想外・驚き」の用法であることを明白に伝えることができます。そのため、文型と文型の組み合わせが大事になってくるのだと思います。

 

「のに」は「予想外・驚き・不満」を表す文型ですので、「~てしまう」(予想外・驚き)の用法と相性が良いのだと思います。

 

予想外・驚き(~てしまう)の文型練習

 

「予想外・驚き」の「~てしまう」の文型練習をするときは「~のに」の文型と組み合わせて、後文を作ってもらうと良いと思います。

 

全然勉強しなかったのに、~てしまいました。

ダイエットしたのに、~てしまいました。

ワクチンを打ったのに、~てしまいました。

先生に間違いを指摘したのに、~てしまいました。

クラスのマドンナに告白したのに、~てしまいました。

 

日本語教師である以上、やはり日本語のスペシャリストにならなければならないと思う今日この頃です。

 

私は未だに「彼に同情してしまいます。」の「てしまう」が何の「てしまう」かがわからないのですが。この「てしまう」は「完了」でも「後悔・遺憾」でも「予想外・驚き」でもないように思うのですが。

 

ただ、いくら日本語の知識があったとしても、やはり教え方が悪いと、学生はついてきてくれませんので、併せて、日本語を教えるスペシャリストになることも大事だと思います。

 

料理でもそうですが、いくら良い材料(知識)があったとしても、作り方(教え方)が悪ければ、究極のメニュー(最高の授業)を作ることができませんので、文法書だけではなく、教え方のハウツー本を買ったり、他の先生方の授業見学をして、教え方を盗んだりして、教え方に磨きを掛けることがとても重要だと思います。

 

私は以前他の先生の授業見学をさせてもらったことがあるのですが、その先生は教科書を一切使わないで、学生の会話を引き出す会話の授業をされていたので、その授業に衝撃を受けてしまって、いわゆるイップスになってしまったことがあります。

 

今もそのイップスから抜け出せていませんが、自分の授業を見つめ直す良い機会になりました。やはり会話の授業は学習者中心主義であるべきで、そのためには学習者中心主義の教授法を研究すべきだと強く思います。

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