中国語では薬を食べる
「食べる」ことと「飲む」ことは生き物にとって非常に大事なことですが、ただ、日本語と中国語では「食べる」と「飲む」の動詞の使い方に違いが見られます。
日本語では「薬を飲む」と言いますが、中国語では「薬を食べる(吃药)」と言います。
日本人の感覚からすると、薬は飲むものだと思うのですが、どうして中国語では薬を食べると言うのでしょうか。どうやら中国語で飲む(喝)を使うのは物が液体の時だけで、物が個体の時は食べる(吃)を使うからのようです。中国語ではこのように飲むと食べるを使い分けしているようです。
そう考えてみたら、薬を食べるを使うのもなんだか頷けるような気もします。
日本にあるかどうかわかりませんが、中国の胃薬の中には大きな錠剤で噛み砕いて、飲むタイプのものがあります。ですから、この薬に対しては飲むよりも、食べるを使ったほうが合うような気がします。
こう考えてみると、もしかすると、中国の昔の薬は大きかったのかもしれません。薬は大きいほうが、成分がたくさん入っていて、効用が大きいような感じがしますので。ですから、おそらく中国では昔は薬を噛み砕きながら、飲んだことから、中国語では「薬を食べる」と言うようになったのではないかと思います。
ただ、そうは言うものの、学生に教えるときはいつもこう言っています。「中国語では「薬を食べる」と言いますが、日本語では「薬を飲む」と言います。中国人は「薬を美味しい、美味しいと言って、食べるんですか。なんか変ですね」と(笑)
また、中国では粉薬を飲むときは水に混ぜて飲みます。これは子供、大人に限らずです。日本ではそうするのは小さい子だけですが。もし大人がそうしたら、お前は子どもかと馬鹿にされることでしょう。ですから、このことについても、からかっております(笑)
中国語ではお粥を飲む
日本語ではお粥を食べると言いますが、中国語ではお粥を飲む(喝粥)と言います。
日本人の感覚からすると、お粥は食べるものだと思うのですが、どうして中国語ではお粥を飲むというのでしょうか。やはり先ほどと同じ理由で、お粥も液体だからなのでしょう。ですから、飲む(喝)を使うのでしょう。確かにお粥は噛むというよりも飲み込んでいるような感じがします。
こちらに関しては中国語の表現のほうが正しいかもしれません。
なぜなら、中国にはこのようなジュースの容器に入れられたお粥が売っていて、これに太いストローを刺して、飲むからです。
お粥は日本では病気になったり、お腹が痛くなったりしたときに、食べるというイメージがありますが、中国では病気に限らず、毎朝、お粥が食べられています。ですから、日本のお粥事情を話すと、学生はとても驚きます。
ただ、中国のお粥は塩ではなく、砂糖を入れることが多いので、甘いです。ですから、私は中国のお粥はあまり好きではありません。もちろんしょっぱいお粥もありますが、種類は少ないです。
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