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「へ」(生活面)

「頂きます」と「ご馳走様でした」

「へ」(生活面)
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「頂きます」

 

日本ではご飯を食べる時、「頂きます」と言いますが、中国ではご飯を食べる時、そのような言葉は何も言いません。ですから、何も言わずにご飯を食べ始めます。

 

なぜ「頂きます」と言うのでしょうか。1つ目の理由は食材への感謝からです。私たちが食べている肉や魚はもちろんのこと、野菜や果物にも命があります。「その大切な命を私の命のために頂きます」と感謝の念を込めるために、ご飯を食べる前に「頂きます」と言います。

 

2つ目の理由は食事に携わってくれた方々への感謝からです。食材を育ててくれたり、獲ってくれたりした人への感謝、食材を運んでくれたり、売ってくれたりした人への感謝、そして、食事を作ってくれた人への感謝のために、ご飯を食べる前に「頂きます」と言います。

 

 

ご馳走様でした

 

 

日本ではご飯を食べ終わった後、「ご馳走様でした」と言いますが、中国ではご飯を食べ終わった後も、そのような言葉は何も言いません。ですから、何も言わずにご飯を食べ終わります。

 

なぜ「ご馳走様でした」と言うのでしょうか。昔は今のように冷蔵庫もスーパーもありませんでしたから、急に来客が来たとき、食材を揃えるのはとても大変なことでした。そのため、昔の人はお客様をもてなすために、食材を揃えるのに奔走していました。

 

「馳走」の「馳」は「馬を馳せる」、「走」は「走る」です。つまり、「馳走」とは「馬を馳せながら、走り回る様子」を表しています。

 

お客さんはそのようにしてまで作ってくれた料理に対して、丁寧語の「御」をつけて、「御馳走」と言うようになりました。ですから、お客さんにとってはどんな料理であろうと、「御馳走」になります。また、お客さんはいろいろと大変な思いをして、料理を作ってくれたことへの感謝の気持ちを表すために、「ご馳走」の後に「様」を付け、「御馳走様でした」と言うようになりました。

 

今はいろいろな食材をスーパーなどですぐに手に入れることができますが、それでも、料理を作ってくれる人は毎日どんな料理を作ろうか考えて、買い物に行き、また、料理を作るために、台所で忙しくします。これもまさしく馳走です。

 

1年生の最初の頃に「頂きます」と「ご馳走様でした」を教えると、すぐにブームになり、食堂でご飯を食べるときに、毎回この言葉を言うようになります。

 

食事をするとき、改めて「頂きます」や「ご馳走様でした」の語源を思い出し、その料理のために犠牲になった命やその料理を作ってくれた人への感謝の気持ちを表すために、しっかりと「頂きます」や「ご馳走様でした」という言葉を言いたいものです。そうすれば、「頂きます」や「ご馳走様でした」という言葉がきっと心にまで栄養を届けてくれる魔法の言葉となってくれることでしょう。

 

 

お粗末様でした

 

 

また、もてなした側は「ご馳走様でした」と言われたら、その返礼として、「お粗末様でした」という言葉も言いたいものです。「お粗末様でした」とは、もてなした料理が大したものではなかったと謙遜していう言葉です。

 

この言葉も中国語にはありません。この言葉も日本人の謙虚な心を表す美しい言葉ですので、1年生の最初の頃にこの言葉を教えるのも良いと思います。

 

 

この言葉も1年生の最初の頃に教えると、ブームになり、やたらと使うようになります。料理を作って、もてなしたわけでもないのに、「お粗末様でした」と言うようになってしまいます。ですから、この言葉を教える時はしっかりした説明が必要になります。

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