笠地蔵の本文と単語・文法
昔、昔、あるところに、貧乏なお爺さんとお婆さんがいました。お爺さんは、毎日、編み笠を作って、街で売っていました。
ある年の大晦日に、お爺さんは、街へ笠を5つ売りに行きました。出掛ける前に、お婆さんに言いました。「笠を売って、お正月の餅を買って帰ります」それを聞いて、お婆さんは「じゃあ、待っています。いってらっしゃい。」と言いました。
街の市場は賑やかでした。でも、お爺さんの笠を買う人はいませんでしたから、お爺さんは、餅を買うことができませんでした。
夕方、だんだん寒くなって、雪が降ってきました。お爺さんが、家へ帰る途中で、大雪になりました。道に並んでいるお地蔵さんの頭や肩の上に雪がたくさん積もっていました。お爺さんは、お地蔵さんが可哀想だと思って、持っていた笠をお地蔵さんの頭に載せました。でも、お地蔵さんは6人で、笠は5つしかありませんでした。お爺さんは、最後のお地蔵さんに自分の笠をあげて、家へ帰りました。
お婆さんは、雪で真っ白になったお爺さんから、お地蔵さんと笠の話を聞いて、「いいことをしましたね」と言いました。そして、二人はご飯を食べて、寝ました。
その日の夜遅く、外から「よういさ。よういさ。」という声が聞こえました。声は、だんだん大きくなって、お爺さんの家の前で、止まりました。それから、ドスンという音がしました。
お爺さんとお婆さんは、起きて、戸を開けました。家の前に大きい荷物がありました。そして、向こうのほうに6人の笠を被った人が見えました。その人たちは、街のほうへ歩いて行きました。
お爺さんとお婆さんは、荷物を開けました。そこには、お正月の餅や魚や宝物がたくさん入っていました。そして、二人は、いいお正月を迎えることができました。
単語
貧乏 編み笠 大晦日 餅 市場 並ぶ 肩 積もる 載せる 声 音 止まる 戸 被る 宝物 迎える
文法
形容詞+くなります 形容動詞、名詞+になります 動詞+途中で
『笠地蔵』の内容確認の質問
①お爺さんは毎日何を作っていましたか。
②お爺さんはどうして毎日編み笠を作っていたと思いますか。
③ある日の大晦日、お爺さんはどこへ何をしに行きましたか。
④出掛ける前にお爺さんはお婆さんに何と言いましたか。
⑤街でお爺さんの傘を買う人はいましたか。それはどうしてだと思いますか。
⑥お爺さんはどんな気持ちになったと思いますか。それはどうしてだと思いますか。
⑦お爺さんは帰り道、何を見ましたか。
⑧お爺さんはそれを見て、どうしましたか。
⑨しかし、どんな問題が起こりましたか。
⑩お爺さんはその問題を解決するために、どうしましたか。
⑪○○さんなら、どうしますか。
⑫お婆さんはお爺さんからこの話を聞いて、何と言いましたか。
⑬○○さんがお婆さんなら、お爺さんに何と言いますか。
⑭その日の夜、どんな声が聞こえましたか。そして、どんな音が聞こえましたか。 ⑮お爺さんとお婆さんが戸を開けると何がありましたか。
⑯この荷物を持ってきたのは6人は誰だと思いますか。
⑰どうしてお地蔵さんたちは荷物を持って来たと思いますか。
⑱荷物の中には何が入っていましたか。
⑲この話は読者にどんなことを伝えたいと思いますか。
こちらの『笠地蔵』も、みんなの教材サイトの中で紹介されています。毎回、先にプリントを配って、物語を読むだけでは単調な授業になってしまいますので、時には下のようなイラストだけを先に配って、物語の展開を予想して、ストーリーを話してもらう方法もお勧めです。
ただ1人で全部のストーリーを話すのは大変ですので、1人1場面ずつ話してもらい、それをつなげながら、1つの物語を作り上げていくと、とても盛り上がります。
みんなの教材サイトには、このようなイラストがない昔話もありますので、その場合は自分が絵が得意であれば、自分で書いたり、自分が絵が得意でなければ、学生に書いてもらうと良いです。クラスに1人ぐらいは絵がとても上手な学生がいますので、その学生にお願いすれば、喜んで書いてくれます。
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