例示(Aたり、Bたりする)の用法
例示を表す文型に「Aたり、Bたりする」があります。この文型は話し手が複数のする(した)行為の中から、自分が取り上げたいものをいくつか取り上げて、聞き手に伝えます。それだけではなく、例示したもの以外にも、する(した)行為があることを暗示させます。
①私はコロナに感染しないように、手を洗ったり、マスクをしたりしています。
②私はコロナに感染しないように、手を洗って、マスクをしています。
①の文はコロナに感染しないように自分がメインで行っている行為を2つ例示して、聞き手に伝えています。それとともに、聞き手に他にもコロナに感染しないように自分が行っている行為があることも暗示させています。たとえば、「不要不急の外出を控えている」とか「大勢で食事をしない」などです。
②の文はコロナに感染しないように自分がメインで行っている行為を2つ例示しているのではなく、コロナに感染しないように自分が行っている行為を2つ述べているだけです。ですから、こちらの文は聞き手に他にもコロナに感染しないように自分が行っている行為があることは暗示させていません。
「Aたり、Bたりする」を使った文型練習
この文型を練習するときは、質問形式ですると良いです。
①週末何をしましたか。
②寂しいとき、どうしますか。
③風邪を引いたとき、どうしますか。
④道に迷ったら、どうしますか。
⑤ストレスを解消するために、どんなことをしていますか。
⑥自分の好きなアイドルに会ったら、どうしますか。
⑦日本語を上手にするために、何をしていますか。
⑧バスの中で泣いている子供がいたら、どうしますか。
⑨今月の生活費がなくなったら、どうしますか。
⑩日本へ行ったら、何がしたいですか。
たとえば、上記のような質問を学生にして、「私はAたり、Bたり、(Cたり)、(Dたり)します」の文型を使って答えてもらいます。質問は学生が自由に答えられる質問をたくさん準備して、テンポよく次々と学生に質問していくと良いです。
また、易しくから難しくの礎石を遵守するために、別の文型と組み合わせて、練習すると良いです。
例えば、「Aたり、Bたりする」と「~たらいい」を組み合わせた「Aたり、Bたり、(Cたり)、(Dたり)したらいいですよ」です。
ただ、質問形式で答えてもらってばかりいると、授業が単調になってしまい、学生たちが飽きてきてしまいますので、授業にバリエーションを付けるために、様々な活動を取り入れると良いです。
例えば、リレー活動です。こちらは学生たちが少しずつ文を作って繋げ、文を完成させる活動です。文を作って繋げていくのがリレーのバトンを渡すような感じなので、私が勝手にリレー活動と名付けました。駅伝活動という呼び名でも良いのですが(笑)
リレー活動はこんな感じです。
デートする前に、何をしたらいいですか。
学生A 「お金をたくさん準備したり、
学生B 美味しいレストランを予約したり、
学生C 美しいバラの花を買ったりしたらいいですよ。」
日本へ行く前に、何をしたらいいですか。
学生A 「パスポートを取ったり、
学生B 飛行機のチケットを予約したり、
学生C ガイドブックを買ったりしたらいいですよ。」
遅刻しないようにするには、どうしたらいいですか。
学生A 「早寝早起きをしたり、
学生B 目覚まし時計を2個セットしたり、
学生C お母さんにモーニングコールをお願いしたりしたらいい
ですよ。」
こちらもテンポよく次々と学生に当てていくと良いです。学生が言い終わったら、他の学生に完成した文を言ってもらったり、みんなでコーラスすると良いです。
コメント