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「ろ」(授業面)

座席から読み解く人間関係の変化

「ろ」(授業面)
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座席から読み解く人間関係の変化

 

中国の大学も基本的に座席は自由ですので、どこに座っても良いのですが、しかしながら、学生たちは自分の指定席への拘りがあるためか、毎回同じところに座ることが多いです。ですから、やる気のない男子学生たちはいつも後ろの席を陣取りやがります(笑)

 

それは教師にとっても男子学生たちにとっても良くないことですので、私は強制的に前に座らせることが多いです。そうすれば、その男子学生たちを支配下に置くことができるだけではなく、プリントを配ってもらったり、黒板を消してもらったりなどの雑用係をさせることができます。いわゆる家来のような扱いにすることができます(笑)

 

このように学生たちは自ずといつもの指定席に座りますので、教師はその個々の学生の指定席を覚えてしまえば、出席を取らなくても誰が来ていて、誰が来ていないのか一目瞭然でわかるようになります。

 

また、時には座席から人間関係の変化をも感じ取ることができます。中国の大学は全寮制ですので、座席はだいたい寮の仲良し同士で一緒に座ることが多いです。それもそのはずです。なぜなら、毎日一緒に寝食を共にしていからです。

 

ただ、毎日一緒に寝食を共にしている間柄ですと、いろいろな出来事を通じて、いろいろな喜怒哀楽の感情が起きるためか、時には仲良し同士が一緒に座っておらず、離れ離れで座っているときもあります。

 

それを見て、私は二人の間にいったい何が起きたのだろうかと気になって、二人に聞きたくなってしまうのですが、しかしながら、聞くことによって、二人の関係を更に悪化させてしまうと困りますので、その場合は聞くのを我慢して、固唾を呑んで二人の関係が元通りになることを見守っています。

 

私の会話の授業は二人ペアで練習することが多いのですが、そういう状況を目にしたときは無理矢理いつもと同じペアにさせないで、私がペア役をやったり、3人ペアにさせたりして、この危機を乗り越えています。これがいわゆる中国の日本語教師の技量の1つとして求められている学生への目配り気配りというやつでしょうか(笑)

 

それ以外では、男子学生と女子学生がある日から一緒に座り始めていることもあります。この場合は99・9%の確率でカップルになったと見て良いです(笑)

 

実際、日本語学科の場合は同じクラスでカップルができることが多いです。それもそのはずです。日本語学科は女子学生が多く、男子学生が少ないですので、男子学生は告白をすれば、成功する確率がとても高いからです(笑)

 

ただ、別れた場合は悲惨なことになってしまいますが。なぜなら、常に元カノ、元カレが同じ空間にいる状況になり、お互い嫌いになった人が常に視野に入ってしまうからです(笑)

 

それから、教師にとって、やはりショックなのが普段前に座っていた学生がある日後ろの席に座っていたときです。これを見て、私はその学生に何か悪いことをしてしまったのかなとか、これはこの学生による私のつまらない授業への抗議なのかなとか考えたりしてしまいます。ただ、この場合の多くは次の時間にテストがあるため、内職するために後ろの席に座っているだけのことが多いのですが。

 

また、自分の授業では後ろのほうに座っている学生が他の先生の授業では一番前の席に座って、一生懸命授業を受けている姿を目撃してしまったときも嬉しい反面、ショックでもあります。なぜなら、学生たちは好きな先生の授業では前の席で授業を受ける傾向にあるからです。

 

このことは裏を返せば、自分の授業で前の席ががら空きだったら、授業がつまらない、つまり、嫌われている証拠ということになってしまいます。

 

もし私の授業もこんな状況になってしまったら、私は日本語教師を辞める潮時だと思っています。

 

以上のことを鑑みると、オンライン授業はこれらの状況に遭遇しなくて済みますので、頭を悩ませる必要がなくなるため、この点がオンライン授業のメリットであるように思います。

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