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学生の卒業後の就職先

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学生の卒業後の就職先

 

大学で4年間日本語を学んだ学生たちは卒業後、日本や日本語に関係する会社に就職するとは限りません。むしろ日本や日本語に関係する会社に就職する学生はごく少数と言ってもいいほどです。大半の学生は日本や日本語とは関係ない会社に就職することが多いです。

 

一般的に日本語学科で成績がトップクラスの学生たちは日本や日本語関係の会社に就職する割合が高いです。その理由はおそらく大学入学当初から日本や日本語に関係する会社に就職したいという強い夢を持って入学してきたため、その夢の実現に向かって、一生懸命勉強するからだと思います。

 

私の教え子の中には卒業後、日系企業の通訳や日本語の先生になった学生がいます。また、日本人観光客向けのガイドや日系企業のコールセンター、日系の航空会社の職員や客室乗務員になった学生もいます。また、中国人に日本への留学や仕事を斡旋する会社で働いたり、アマゾンなどの通販サイトで中国の品物を日本で売ったり、日本の品物を中国で売ったりするネット通販事業を立ち上げた学生もいます。

 

このように学んだ日本語を生かして、日々、日本と中国の明るい未来のために働いている学生たちがたくさんいます。その成長した姿を見ると、日本語教師として、この上なく嬉しいものです。

 

その他にも日本語学科の学生の就職先として、いろいろな就職先があると思うのですが、その中でも、私が驚いた就職先としては、外国人の居留許可などを取り扱う出入国管理局です。

 

以前、出入国管理局に行ったとき、日本語を流暢に話せる職員さんがいました。その職員さんは大学の日本語学科の卒業生でした。おそらくこの職員さんのおかげで、居留許可の手続きなどで助けられた日本人はたくさんいるのではないかと思います。ですから、国家公務員として、日本語を生かせる仕事に就けるのはとても魅力的だな思いました。

 

また、大学によっては、国際合作所の職員さんの中にも日本語を流暢に話せる職員さんもいます。以前働いていた大学にもいたのですが、その職員さんは日本語学科を卒業していました。その職員さんのおかげで、私は中国語や英語を使わずに日本語だけでいろいろなことを相談でき、助けてもらうことができました。ですから、日本人教師のサポート役として、国際合作所で働くのも学生にとっては魅力的なのではないかと思いました。

 

その一方で、残念ながら、大半の学生は日本や日本語とは関係ない会社に就職してしまいます。その理由はおそらく日系企業への就職が難しかったり、そもそも大学入学当初から日本や日本語に興味がないからだと思います。

 

最近、日本語学科の学生の就職先として多いのは不動産会社への就職です。中国は今不動産バブルなので、給料が高いためなのか、学生の就職先としてとても人気があります。

 

私の教え子のSNSには不動産の紹介で溢れ返っています。不動産会社は日本と日本語とは関係ないですが、ただ、日系の不動産会社や日本人への販売を手掛けている中国の不動産会社に就職すれば、日本語を十分に生かせますので、学生の就職先としてはとても良いのではないかと思います。

 

日本語教師にとっては、日本語を学んでいる学生には日中友好の懸け橋になってもらいたいという思いがあるので、卒業後はぜひ日本や日本語関係の仕事に就いてもらいたいという親心があります(笑)。日本語を学んでいるのも何かの縁だと思いますので。

 

ですから、授業で日系企業で働くことのメリットなどを紹介して、日系企業で働いてみたいというモチベーションを高めたり、日系企業の求人を紹介してあげたりするのも、日本語教師の大事な役割の1つなのかもしれません。

 

以前、私は日系企業の駐在員さんたちと親しくなったことがありました。そのおかげで、「今会社で通訳の人材を募集しているので、優秀な学生をぜひ紹介してほしい」と言われて、学生を紹介したこともありました。この経験から、学生の日系企業で働きたいという夢を叶えてあげるためにも、日系企業の駐在員さんたちと人脈を作っておくことも大切だなと思いました。

 

また、駐在員さんによっては、中国語を勉強したいという方もいますので、「日本語学科の学生を家庭教師として紹介してほしい」と言われたこともありました。駐在員さんは高給取りが多いので、家庭教師代も高く払ってくれますので、学生にとってもおいしいアルバイトにもなりますし、何よりも日本語教師以外の日本人とも触れ合える大切な機会にもなります。

 

また、日本人が開業している日本料理屋に通うのも良いと思います。なぜなら、店長さんと親しくなれば、学生にアルバイトを紹介してあげることができるからです。以前、私も学生に紹介してあげたことがあるのですが、その学生に嬉しそうな顔で、「今日、日本人のお客さんが来て、いろいろ会話をしました。先生の会話の授業で習ったことが役立ちました」と言われたときのあの言葉が今でも忘れられません。

 

こういうところでアルバイトをすると、教科書では学べない生の日本語を学ぶことができますので、学生のモチベーションも上がり、学生の日本語がどんどん上手になっていきます。これこそがまさしくサバイバルで学ぶ日本語です。

 

また、日本語学科の卒業生とは関係ありませんが、以前、銀行に口座を作りに行ったとき、私の勤めている大学を卒業生した学生が働いていて、その縁でいろいろ話し掛けられたことがありました。

 

そのとき、私は大学は社会で働く人材を育てる大切なところなんだなと改めて実感しました。大学ではたくさんの学生がいろいろな専門を学んでいて、日々こうして実社会で役立つための勉強をしているので、教師はその夢の実現のために、しっかりした使命感を持って、授業に臨まなければならないなと強く思いました。

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