時間内(Aあいだ、B Aあいだに、B)
「Aあいだ、B」と「Aあいだに、B」の違いについて、学生からよく質問されます。
①先生がいないあいだ、カンニングをする。
②先生がいないあいだに、カンニングをする。
例えば、テスト中、先生がトイレに行きました。トイレから戻ってくるまで、先生は教室にいません。
①の文は「先生がいないあいだ、ずっとカンニングをする」という継続のニュアンスがあります。つまり、「Aあいだ、B」はAの状態や動作が続いているあいだ、ずっとBをすると言う時に使われます。
②の文は「先生がいないあいだ、ずっとカンニングをする」という継続のニュアンスではなく、「先生がいないあいだの一部の時間を使って、カンニングして、カンニングを終わらせる」というニュアンスがあります。つまり、「Aあいだに、B」はAの状態や動作の継続が終わる前に、Bの行為をして、終わらせると言う時に使われます。
この「あいだ」と「あいだに」の違いは「まで」と「までに」の違いを考えるとわかりやすいと思います。
①11時まで寝る。
②11時までに寝る。
①の文は11時まで寝る動作を継続し、11時過ぎたら起きるという意味です。つまり、動作の継続に視点があります。②の文は寝る時間のリミットが11時という意味です。つまり、11時前に寝る行為を終わらせれば良いため、動作の継続に視点があるのではなく、時間のリミットに視点があります。
①先生が教室に戻ってくるまで、カンニングをする。
②先生が教室に戻ってくるまでに、カンニングをする。
ですから、①の文は動作の継続に視点があるため、先生が教室に戻ってくるまでカンニングを続けるというニュアンスが、②の文は時間のリミッドに視点があるため、先生が教室に戻ってくるまでに(時間のリミッド)、カンニングを遂行し、終わらせるというニュアンスがあります。
ですから、①の文は大胆な人が行うカンニング、②の文は小心者が行うカンニングであると言えます(笑)
このように格助詞「に」があるかどうかで大きく意味が変わります。おそらくその理由は格助詞「に」に到達する時間に焦点を当てる用法があるためだと思われます。
例文はインパクトがあるものに
例文はインパクトがあるものを使うと良いです。なぜなら、例文にインパクトがあればあるほど学生の記憶に残りやすくなるからです。また、そのインパクトある例文をもとに、学生と会話を広げることもできます。
例えば、この例文では「カンニングをしたことはありますか」とか「どのタイミングでカンニングをしましたか」とか「どうやってカンニングをしましたか」とか根掘り葉掘り聞けます(笑)。それだけではなく、教師にとってはカンニング対策へのヒントにすることができます(笑)
コメント