中国の方言
中国は広大ですから、方言もたくさんあります。日本の方言の場合は語尾が多少違ったりするぐらいですので、方言であっても聞き取れますが、中国の方言の場合は語尾どころか、すべてが違いますので、まるで別の言語のような感じです。
こちらは中国の5つの方言(温州語、東北語、上海語、広東語、重慶語)を話す人たちです。お分かりいただけるように、それぞれの方言が別の言語のように聞こえます。
私が最初中国に来た時は中国語が分からなかったので、その中国語を聞いて、標準語なのか、方言なのかの区別すらも付かなかったのですが、今はその違いがはっきり分かるようになりました。
中国の大都市であれば全国から人が集まってきますので、出身地の方言を話したとしても通じませんので、必然的に標準語を話す人が多くなるのですが、中国の小都市であれば出稼ぎ労働者はほとんどおらず、ほぼ現地の人たちだけですから、必然的に方言を話します。
そのため、日本人が中国の小都市で暮らした場合、中国語を聞き取るのが大変になります。訛りぐらいでしたらまだ良いのですが、その方言が標準語とはまったく違った場合はまったく聞き取れず、孤独感を感じてしまいます(笑)
このように中国は方言が数多くあるため、中国の大学では日本の大学では見掛けられない標識が至る所にあります。
それはこちらの请讲普通话(標準語を話してください)という標識です。
中国の有名大学の場合は全国から学生が集まってきますので、自分の出身の方言を使うと、通じませんので、大学内にこのような標識が至る所にあるのでしょう。
また、地方の大学の場合もその地方の学生が多いので、必然的に方言を話してしまうため、少数の他の地方の出身の学生や先生が疎外感を感じてしまう恐れがあるので、このような標識が至る所にあるのでしょう。
私も学生から方言を教えてもらったりしますが、やはり外国人が方言を話すと面白いのか、みんな笑ってくれます。
それから、面白いことは同じ出身地の学生同士が方言でおしゃべりしていたのに、別の地方の出身の学生が来た途端、標準語でおしゃべりし始めることです。この自動的な切り替えがとても面白いと言いますか(笑)
また、日本人の先生が中国語ができる場合は標準語でその先生の悪口を言うと、聞き取られてしまいますので、学生たちは方言を使って悪口を言うこともあります(笑)。こう考えてみると、方言は便利で、まるで魔法のような言葉だと思います(笑)
標準語の試験
中国はこのように方言がたくさんあるので、普通话水平测试という標準語のレベルを測る試験があります。日本では考えられない試験ですが、中国の学生たちの大部分がこの試験を受けます。
こちらはその試験の一例なのですが、試験官の前で単語を読んだり、文を読んだりします。
試験の点数によって、英検のように1級、準1級、2級、準2級、3級、準3級が決まります。
また、試験の点数によって、パスポートのような等級の証明書までも発行されます。
将来、アナウンサーになるためには、1級が必要です。また、外国人に中国語を教える先生も言うまでもなく1級が必要です。また、幼稚園の先生や国語の先生になるためには2級以上が必要です。
大学の先生もみんなきっと2級以上を持っているのだと思います。もし大学の先生が標準語が下手ですと、学生たちは講義を聞き取れませんので。
この試験は一見簡単そうに見えますが、広東省出身の学生たちにとっては、とても難しいようで、2級以上取るのはなかなか難しいようです。
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