日本語スピーチコンテスト
中国の大学の日本語教師は日本語スピーチコンテストの指導もしなければならないことが多いです。ここで「~なければならない」の文型を使ったのは私自身が外国語のスピーチはおろか、普通のスピーチすら一度もしたことがないのに、指導などという大それたことをしなければならないからです。
日本語スピーチの指導は日本人教師に課せられた一大使命ですから、指導しないわけにはいかないので、私も手探り状態で指導してきました。
日本語教師なら、発音やプロソディーの指導は問題なくできますが、ただ、スピーチの内容面の指導をするのは大変です。学生が書いたスピーチの間違いを直すぐらいなら良いのですが、聴衆に訴えかけるようなスピーチの構成などを考えるのは大変です。なぜなら、内容の大部分を変えてしまうと、その学生自身が書いたスピーチではなくなってしまうからです。ですから、いつもどこまで手を加えたら良いのか悩んでしまいます。
そして何より難しいのが間の取り方、感情の込め方、身振り手振りの入れ方、視線の動かし方などの技能面の指導をすることです。演劇をしたこともスピーチコンテストに参加したことがない私にとってはこれはとても難しいことです。
ですので、このように指導できる阿部力さんがとても羨ましく思うと同時に私もいつかこのようにスピーチの指導ができるようになりたいと強く思います。今の私はただスピーチの動画を見て研究したり、学生に見せたりするしかできませんので。
日本語スピーチの指導で大変参考になるのがこちらのスピーチです。こちらは外務大臣賞を受賞したフィリピン人のスピーチです。やはり外務大臣賞を受賞しただけあって、とても心に響く素晴らしいスピーチです。スピーチのスピードも間の取り方も感情の込め方も身振り手振りも視線もどれも完璧です。
ただ、内容に関しては日本語教師の手がかなり入っているのではないかと思ってしまいましたが(笑)
こちらは中国人留学生のスピーチです。スピーチのテーマは「日本人は一目でわかる」です。スピーチの内容が非常にわかりやすく、内容がすーっと頭の中に入ってきました。それはやはり自分の実体験エピソードをもとに自分の観察力・分析力を使って、的確にテーマの結論について述べているからだと思います。
ただ、日本語教師の職業柄からか私は促音や長音の発音で気になってしまったところがありましたが(笑)。中国語には促音や長音はないので、中国人にとっては促音や長音の発音はどうしても難しいのでしょう。
確かにお辞儀は日本人かどうかを測るバロメーターの1つだと思います。特に電話しているときにもお辞儀をしていたら、十中八九日本人でしょう(笑)。今ふと思い出したのですが、欧米の外教たちは私に会うたびに、お辞儀をしながら挨拶してきます。このことからも分かりますように日本人の特徴はやはりお辞儀なのでしょう。
私がもし「中国人は一目でわかる」というテーマでスピーチをするとしたら、駅での観察・分析から書きます。駅でカップラーメンを食べていたり、ひまわりの種を食べていたり、トランプをしていたりしたら、十中八九中国人です(笑)
中国の大学の日本語教師は最低1年に1回はスピーチの指導をしなけれなりませんので、実際に自分も外国語のスピーチコンテストに参加することが学生を指導する上において何よりも重要だと思います。なぜなら、机上の理論だけでは到底指導に説得力が生まれないからです。
指導する上において重要なのはやはり「先ず隗より始めよ」です(笑)
