中国の子どもたちのマナー向上と気さくさ
中国は最近まで一人っ子政策を実施していましたので、1人っ子が多いです。大学の学生たちも1人っ子が大半です。
1人っ子ですと、お父さん、お母さん、そして、お父さん、お母さんのお爺ちゃん、お婆さんちゃんの6人から愛情を込めて育てられるので、愛情を一人占めできるというメリットがありますが、しかしながら、その6人の愛情は飴と鞭の飴しかないため、ずっと甘やかされて育てられるので、小皇帝と呼ばれる我儘な子供に育ってしまうというデメリットもあり、今中国の社会問題になっています。
学生の中にも、小皇帝のような我儘な学生が存在します。小皇帝は我儘ですので、もちろんマナーも悪いのが一般的なんですが、ただ、最近は中国の経済が豊かになってきており、それにともない、物質的な豊かさとともに、精神的な豊かさも生まれてきたため、子どもたちのマナーがかなり向上し始めてきています。
それとともに、親たちの規範意識の向上と、中国の学校教育が学力重視から徳育重視にシフトし始めてきていることも、子どもたちのマナー向上につながってきています。
私の体験
先日、私が駅の待合室のベンチで汽車を待っていたとき、親子が来ました。しかし、私の隣の席には誰かが置いて行った空き缶とゴミが置いてありました。その日は駅の待合室が混んでおり、あいにく他の席は空いていませんでした。
それで、私は普段目の当たりにしている中国人のマナーの悪さや日本に旅行に来ている中国人のマナーの悪さから鑑みて、その親子もきっとベンチに置いてあるゴミをその辺にぶちまけるのかなと思っていたのですが、なんと子どもがゴミを拾い上げ、辺りを見回して、ゴミ箱を探し、ゴミをゴミ箱に捨てに行ったのです。
私はこの光景を目の当たりにして、とても感動して、胸が打たれてしまいました。
それから、私がデパートのトイレで小便をしていたときのことです。私の隣に子どもが来て、子どもも小便をしました。私が小便をし終わった後、子どもは私にこう言いました。
「尿完了,这个按进去呀(おしっこが終わったら、これを押してね)」と。その子どもはトイレの清潔さを保つために、わざわざ私に念を押してくれたのでした。それに対して、私はそんなこと言われなくても、もちろんちゃんと押すよと思ったのですが、子どもの親切心を仇で返すわけにはいきませんので(笑)、私はその子どもに「谢谢提醒我(私に指摘してくれて、ありがとうございます)」とお礼の言葉を述べ、その場を後にしました。
私はこの言葉も聞いて、とても感動して、胸が打たれてしまいました。それとともに、見ず知らずの人に気さくに声を掛けて来る中国の子どもが好きになりました。
それから、私がマクドナルドでハンバーガーを食べながら、パソコンで教材を作っていたときのことです。1人のお嬢ちゃんが私のところに来て、「干吗?(何をしてるの)」と聞いてきました。
どうやら、そのお嬢ちゃんは私がパソコンゲームで遊んでいると思ったようです。それで、仕事をしていることを伝えたら、お嬢ちゃんは「是吗(そうなの)」と行った後、笑顔で「拜拜(バイバイ)」と言いながら、去って行きました。
中国は大人も気さくですが、子供も同じく気さくです。日本では親に「知らない人に声を掛けてはいけないよ」と諭されますが、中国では親に「知らない人に声を掛けないとダメだよ」と諭されているのではないかと思うぐらいです(笑)
中国の大人が誰にでも気さくに声を掛けるのはきっと子供のときからの習慣がそうさせているんだなと思った瞬間でありました。
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