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「い」(契約面)

大学院の授業

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大学院の授業

 

中国の大学に日本語研究のための大学院が設置されている場合、日本人外教も大学院の授業を担当することがあります。

 

私は日本語研究のための大学院が設置されている大学で勤務したこともあるのですが、そのときは、残念ながら、大学院の授業は担当させてもらえませんでした。

 

なぜなら、一般的に大学院の授業は院卒の日本人外教が担当することになっているからです。

 

大学院の授業を担当する場合は日本語研究に関するゼミ形式の授業をするため、日本語を教えるのではなく、研究手法などを指導するのがメインになります。ですから、私のような学部卒が院生を指導するのはお門違いということになります。

 

これは学部卒の遠吠えかもしれませんが、私は日本語の研究を指導するよりも日本語を教えるほうが好きですので、大学院の授業なんて端から担当したくありません。踊る大捜査線の青島刑事風に言うと、『日本語の楽しさは研究室で味わうんじゃない、教室で味わうんだ』でしょうか(笑)

 

中国の大学の求人応募の条件に修士以上と書かれている求人をたまに見掛けますが、この場合はその大学に日本語研究のための大学院が設置されている確率がとても高いと思われます。ですので、このような大学に応募するときは大学院の授業を担当することも覚悟しておいたほうが良いと思います。ただ、日本語の研究好きな方にとってはとても打って付けだと思いますが。

 

話が大学院のことから大学のことに変わってしまいますが、日本人外教の場合は学部生のゼミを担当したり、卒論指導の指導教官になったりすることはめったにありません。これらは中国人の先生が担当します。ただ、卒論の添削をしたり、卒論の口頭試問に参加したりしなければならなりません。

 

卒論の口頭試問の場合は意地悪な質問をして、学生を困らせるだけですので、とても楽なのですが(笑)、卒論の添削はとても大変です。なぜなら、学生たちは自分が興味ある日本語の分野ですべて日本語で卒論を書きますので、自分にもその分野の知識がないと、その論文の内容がまったく理解できないからです。ですから、その場合はただ文法、語彙の間違いを添削するだけになってしまい、肝心の内容の部分についてはまったくノータッチ状態になってしまいます。

 

大学に日本人外教が複数いれば、分担で添削しますので、添削する人数は少なくなるのですが、大学に1人しか日本人外教がいなければ、全員分を1人で添削しなければなりませんので、とても大変です。

 

私はかつて60人ぐらいの卒論を添削したことがあるのですが、そのときは1週間ぐらい朝から晩まで宿舎に引きこもって、添削していました。

 

しかも、残念なことに、中国人の先生の卒論の指導には手当てが付くことが多いのですが、日本人外教の卒論の添削に関しては一般的に手当てなどはなく、完全ボランティアですることになります。

 

私は学生たちのためなら、どんな苦労も厭わないことをモットーにしていますので、そのときは文句1つも言わず、卒論の添削に明け暮れていました(正しくは「文句1つも言えず」なのですが(笑))

 

中国の大学の日本人外教はリゲインの「24時間戦えますか」ではありませんが、「24時間学生と交流できますか」という質問に「YES」とすぐに答えられる人が向いているのではないかと思います。なぜなら、日本人外教も学生たちも同じキャンパスに住んでいますので、常に交流できる状態にあるからです。

 

やはり学生たちから人気がある日本人外教は常に学生たちと共にいる先生が多いように思います。私もそんな教師でありたいものです。

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