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昔話の読解教材⑯ 『泥棒と不思議な臼』

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『泥棒と不思議な臼』の本文と

単語・文法


皆さんは、どうして、海の水が、しょっぱいか知っていますか。これは、昔、海の水が、まだ、しょっぱくなかった頃のお話です。

海辺の村の大きな屋敷に一人の長者が住んでいました。この長者は、不思議な臼を持っていました。「米出ろ、米出ろ」長者がそう唱えながら、不思議な臼を回すと、米がザクザク出てきます。「肉出ろ、魚出ろ」と唱えながら、臼を回すと、肉や魚がいっぱい出てきます。米や肉や魚だけではありません。野菜や果物、着物や草履、茶碗、お皿、机、箪笥、大判、小判。この臼を回せば、欲しい物が何でも出てくるのです。というわけで、長者は、この臼を使い、どんどんお金持ちになりました。

ある晩のこと、長者の屋敷に泥棒が入りました。泥棒が廊下をこっそり歩いていると、奥の部屋から声が聞こえてきました。「米出ろ、魚出ろ、着物出ろ」長者が臼を回しながら、いろいろな物を出していました。

泥棒は、扉の隙間からそれを見て、「ははは、そういうことか」。次の晩、泥棒はもう1度長者の屋敷に忍び込みました。こっそり奥の部屋に近付きましたが、物音1つ聞こえてきません。どうやら長者は眠っているようです。泥棒は不思議な臼を盗むことができました。しかし、この臼は、なかなか重くて、運ぶのが大変です。泥棒は、近くの浜に繋いであった、一艘の小舟を盗み、遠くの島まで逃げることにしました。泥棒は島へ向かって、船を漕ぎながら、「この不思議な臼で、俺も長者になれるぞ。そうだ、ちょっと何か出してみよう」と言いました。

泥棒は、甘い物が好きだったので、饅頭を出してみることにしました。「饅頭出ろ、饅頭出ろ」と唱えながら、泥棒が臼を回すと、美味しそうな饅頭がたくさん出てきました。「うまい、うまい」泥棒は饅頭を十個ほど食べました。ところが、甘い饅頭をたくさん食べたので、今度は何かしょっぱい物が食べたくなりました。泥棒は「塩出ろ、塩出ろ」臼を回すと、真っ白な塩が出てきました。「これだけあれば十分だ、止まってくれ」。泥棒は臼に言ったのですが、塩は止まらず、どんどん出てきます。「もういい、もういんだ、止まってくれ」。しかし、船は塩でいっぱいになってしまいました。そして、泥棒と不思議な臼を載せた船は、塩の重みで、ブクブク海の底に沈んで行きました。

泥棒は不思議な臼を回して、饅頭と塩を出すことが出来ましたが、その止め方を知らなかったのです。臼から物を出すときは右に回す。そこまでは良かったのですが、それを止めるときは、左に回すということを彼は知らなかったのです。

哀れな泥棒は溺れて死んでしまいましたが、不思議な臼は、今でも海の底で、塩を出し続けています。海の水がしょっぱいのは、このためなのです。

単語

泥棒 不思議 臼 しょっぱい 屋敷 長者 唱える 回す 着物 草履 箪笥 大判 小判 どんどん 廊下 こっそり 奥 隙間 忍び込む 近付く 盗む 繋ぐ 漕ぐ 甘い物 饅頭 真っ白 沈む 哀れ 溺れる

文法

というわけで どうやら~ようです 動詞(辞書形)+ことにしました

『泥棒と不思議な臼』の内容確

認の質問
 

①海辺の村の大きな屋敷の長者は何を持っていましたか。
②その臼はどんな臼ですか。
③どうしてこの長者はお金持ちになりましたか。
○○さんは、この臼を使って、何を出したいですか。それはどうしてですか。
⑤ある晩、長者の屋敷に誰が来ましたか。
⑥泥棒はどんな光景を見ましたか。
⑦泥棒が2回目に長者の屋敷に来たとき、長者は何をしているところでしたか。
⑧泥棒は何を盗みましたか。それはどうしてですか。
⑨泥棒は臼をどうやって運びましたか。
⑩泥棒は船の上で、まず何を出しましたか。それはどうしてですか。
⑪泥棒は次に何を出しましたか。それはどうしてですか。
⑫どうして船は海の底に沈んで行きましたか。
⑬臼から物を出るのを止める時はどうしますか。
⑭海の水はどうしてしょっぱいですか。

この海の水がしょっぱい理由は、子どもには通じるかもしれせんが、さすがに大学生には通じません(笑)。ですから、最後に科学的にどうして海の水がしょっぱいかを説明してあげたらいいです。以下が、なぜ海の水はしょっぱいかの科学的な理由です。

『海の水に溶けている塩は、もともと陸地の岩の中にあったものです。陸に降った雨が、川となって海に流れるときに、岩などを削り取って、その中に含んでいる塩も、一緒に海に運びます。地球ができたのは、およそ46億年前のことです。そのときから、雨が岩の中にある塩を海にずっと運び続けています。』

つまり、46億年の歳月をかけて、今のしょっぱい海の水が出来上がったということです。とても神秘的です。

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